北九州・八幡の降下ばいじんは50年で10分の1|今の鉄粉の量と車の手入れ
監修:髙濵 良夫(出光リテール販売株式会社 販売部 担当課長)
北九州市の降下ばいじんは1968年度から2025年度にかけて約10分の1に減少しましたが、現在も地域差があるため定期的な手入れと対策が大切です。本記事は、北九州で車を維持し、鉄粉によるサビから塗装を守りたい方に役立ちます。
結論:製鉄の街として知られる北九州市における降下ばいじんは、1968年度から2025年度にかけて約10分の1に減少しました(出典1)。しかし、現在も観測地点によって数値に差があるため、定期的な手入れの目安を知り、塗装を守る対策をしておくことが大切です。
1. 北九州市の降下ばいじん:1968年度20.2から2025年度2.0へ
北九州で車を維持するにあたり、鉄粉の付着は長年ドライバーの悩みの種とされてきました。かつては、空から降ってくるばいじんの量が今よりはるかに多い時代がありました。

しかし、現在の北九州市における降下ばいじん量は、過去と比べて劇的に減少しています。北九州市が公表しているデータによると、1968年度には全市平均で20.2 t/km²/月の降下ばいじんが観測されていました(出典1)。
それが2024年度の全市平均は3.1 t/km²/月となり、さらに2025年度には2.0 t/km²/月まで減少しています(出典1)。50年余りの間に、降下ばいじんの量は約10分の1にまで減っていることがわかります。
降下ばいじん量の推移
北九州市における降下ばいじん量の全市平均の推移は以下の通りです。
| 年度 | 降下ばいじん量(全市平均) |
|---|---|
| 1968年度 | 20.2 t/km²/月 |
| 2024年度 | 3.1 t/km²/月 |
| 2025年度 | 2.0 t/km²/月 |
※データは北九州市「大気・水質等の現況」より(出典1)
このように数値で見ると、車に降りかかるばいじんの量は昔とは大きく違うことがわかります。
2. 桃園SSで相談できること
桃園SS(八幡東区)には、近隣エリアから「ボディのザラつきが気になる」とご相談に来られるお客様が多数いらっしゃいます。実際に来店されるお車を拝見すると、特に洞海湾沿いの工場地帯に近いエリア(戸畑区や八幡東区・八幡西区の海側)を日常的に走行・駐車しているお車に、鉄粉が多く付着している傾向が見られます。
当店で行った事例として、ボディ全体に鉄粉が突き刺さり、洗車してもザラザラ感が取れない状態のお車をお預かりしたことがあります。その際は、専用のケミカルとトラップ粘土を用いて塗装面を傷めないよう慎重に鉄粉を除去し、下地を平滑に整えた上で「ダイヤⅡキーパー」を施工しました。結果として、鉄粉によるくすみが解消され、新車のようなツヤと滑らかな手触りを取り戻すことができました。桃園SSの設備やメニューの詳細は、店舗ページでご確認ください。
3. 今の数値でも鉄粉が付く場所
北九州市全体の降下ばいじん量は大きく減りましたが、完全にゼロになったわけではありません。2025年度の全市平均は2.0 t/km²/月(出典1)ですが、市内には複数の観測地点があり、場所によって数値にばらつきがあります。
例えば、2025年度のデータでは、穴生浄水場が1.2 t/km²/月であるのに対し、小芝アパートは2.3 t/km²/月、藤田ポンプ場は2.5 t/km²/月と報告されています(出典1)。このように、同じ北九州市内であっても、観測地点によって降下ばいじんの量には2倍以上の差があります。
製鉄所周辺の環境と鉄粉
特に製鉄所の周辺では、車に鉄粉が付着しやすい傾向があります。工場地帯から飛散する微小な鉄の粒子が風に乗って運ばれ、駐車中の車のボディに降り注ぐためです。藤田ポンプ場のような数値が比較的高いエリアでは、空気中に含まれるばいじんや鉄粉の影響を受けやすいと考えられます。
鉄粉は非常に細かく、肉眼では見えにくいことも多いですが、洗車後にボディを撫でたときにザラザラとした感触があれば、鉄粉が付着しているサインです。鉄粉は放置すると空気中の水分と反応して酸化し、塗装に深く刺さってサビの原因になると言われています。
鉄粉が塗装にどのような影響を与えるか、また放置した場合のリスクについては、鉄粉除去の方法とコーティングへの影響|放置するとどうなる?の記事で詳しく解説しています。
4. 八幡西区の内陸と洞海湾の近くの違い
同じ八幡エリアでも、内陸部と海沿い(洞海湾周辺)では、車を取り巻く環境が異なります。八幡西区に位置する穴生浄水場における2025年度の降下ばいじん量は1.2 t/km²/月(出典1)であり、市内の他の観測地点と比較して低い数値です。

一方で、洞海湾に近いエリアは工場に近いため、内陸より鉄粉の付着に気を配っておくと安心です。普段車を停める場所が工場からどのくらい離れているかを、手入れの頻度を決める目安にしてください。
降水量と車の汚れの関係
また、地域の気象条件も車の汚れに影響を与えます。気象庁のデータによると、八幡の年降水量は約1,700mmです(出典2)。雨が降ると、空気中に漂っているばいじんや鉄粉が雨粒とともに地面に落ち、車のボディに付着することがあります。
雨上がりには、ボディに水滴が残り、それが乾燥する過程で汚れが凝縮されてシミになることがあります。特に鉄粉が含まれた汚れが濡れた状態のまま放置されると、サビの進行が早まる傾向があるため注意が必要です。降水量が一定以上ある地域では、雨が降った後の手入れが車の美観を保つ鍵となります。
5. 鉄粉取りの頻度の目安
降下ばいじんが減少した現在の北九州市においては、昔ほど頻繁に強力な鉄粉取りを行う必要は減っていると言えます。しかし、藤田ポンプ場周辺のように数値が比較的高いエリアや、工場地帯の近くに駐車する機会が多い場合は、定期的な確認が必要です。

鉄粉取りを行う頻度の目安としては、普段の洗車時にボディを触ってザラつきを感じたタイミングで行うのが一般的です。無理にこすり落とそうとすると塗装を傷つける恐れがあるため、専用の鉄粉除去剤やトラップ粘土を使用し、優しく取り除くことが推奨されます。
プロが実践する鉄粉除去のコツ
KeePerプロショップの現場では、塗装を傷めないための細心の注意を払って鉄粉除去を行っています。ご自身で手入れをされる際も、以下の専門家ならではのポイントを意識してみてください。
- 除去剤で負担を減らす:いきなり粘土を使うのではなく、まずは専用の鉄粉除去剤をスプレーし、鉄粉を化学反応(紫色に発色)させて溶かします。水で一度洗い流すことで、粘土がけの際の摩擦負担を大幅に減らせます。
- 粘土は滑らせるように:トラップ粘土を使用する際は、絶対に力を入れて押し付けないことがコツです。常に水をたっぷりと流しながら、塗装面の上を優しく滑らせるように撫でます。
- 常にキレイな面を使う:粘土の表面に鉄粉が付着したままこすり続けると、引きずり傷(スワールマーク)の原因になります。汚れたらすぐに内側へ練り込み、常にキレイな面を塗装に当てるよう徹底してください。
正しい手入れの方法については、洗車傷(スワールマーク)を防ぐ正しい洗い方|コーティングで守るも参考にしてください。
コーティングで塗装を身代わりとなって守る
鉄粉やばいじんから車の塗装を守るためには、カーコーティングが有用です。KeePerのボディガラスコーティングは、ガラス被膜とレジン被膜の2層構造などで塗装の表面を覆い、外部からの汚れを受け止める身代わりの役割を果たします。
例えば、「クリスタルキーパー」や、雨が洗車の代わりになって汚れを落とす自浄効果を持つ「フレッシュキーパー」などを施工しておくことで、鉄粉が直接塗装に刺さるのを防ぐ効果が期待できます。
さらに厚い被膜を持つ「ダイヤⅡキーパー」や、圧倒的な艶と防汚性能を備えた「EXキーパー」であれば、より厚い被膜でボディを保護できます。福岡市内で車を使う方は、福岡市中央・博多・早良の店舗一覧から近くの店舗を探せます。
北九州市の降下ばいじんは大幅に減少しましたが、ゼロではありません。洗車のたびにボディを触ってザラつきを確かめ、感じたら鉄粉取りをする、という順番を習慣にしてください。
6. よくある質問
7. 出典
この記事の監修
髙濵 良夫
出光リテール販売株式会社 販売部 担当課長
資格:コーティング技術1級資格者(EXキーパー資格者)
弊社中国カンパニーでKeePer施工と施工者育成に従事。
現在は、KeePer全社推進・KeePer LABO推進業務に従事。
