一宮の伊吹おろしと車の砂ぼこり|降下ばいじんの成分でわかる汚れの正体
監修:髙濵 良夫(出光リテール販売株式会社 販売部 担当課長)
一宮の冬に吹く伊吹おろしで車に付くザラザラ汚れは、鉄粉より砂ぼこり(土砂成分30.2%)が多く、傷を防ぐためこすらず水と泡で洗うことが重要です。冬の強風による車の汚れに悩む方や、塗装を守る正しい洗車方法を知りたい方に役立ちます。
結論:一宮周辺の冬に吹く強い北西風「伊吹おろし」によって車に付着するザラザラとした汚れは、鉄粉よりも砂ぼこりの割合が多い傾向にあります。砂ぼこりは硬い成分を含んでおり塗装を傷つけやすいため、こすらずにたっぷりの水と泡で洗い流すことが重要です。
1. 一宮の降下ばいじんは県平均より少ない
降下ばいじんとは何か
車を屋外に駐車していると、いつの間にかボディやガラスがうっすらと汚れで覆われていることがあります。このような汚れの主な原因となるのが、空気中を漂い、やがて地上に落ちてくるチリやホコリなどの微粒子です。これらは環境調査の分野において「降下ばいじん」と呼ばれています。降下ばいじんには、風で巻き上げられた土砂のほか、工場や自動車から排出されるすす、タイヤの摩耗粉など、さまざまな物質が含まれています。
一宮市内の観測データ
一宮市における降下ばいじんの量は、愛知県全体の平均と比較すると少ない水準にあることがわかっています。愛知県が実施した2024年度の降下ばいじん量調査によると、一宮市古金町に設置された清須保健所一宮詰所での観測結果は、年平均で約1.2 t/km²・月でした(出典1)。この数値は、1km²の面積に対して1ヶ月あたり約1.2トンのばいじんが降り注いでいることを示しています。
一方で、同調査における愛知県全県の平均値は約1.8 t/km²・月となっています(出典1)。この結果から、一宮市周辺は県内の他の地域と比べて、空から降ってくるチリやホコリの総量自体は比較的少ない環境であると言えます。
| 観測地点 | 降下ばいじん量(年平均) |
|---|---|
| 清須保健所一宮詰所(一宮市古金町) | 約1.2 t/km²・月 |
| 愛知県 全県平均 | 約1.8 t/km²・月 |
※数値は愛知県 2024年度 降下ばいじん量調査(出典1)より
2. 成分をみると鉄より土砂が多い
車のザラザラ汚れの正体
降下ばいじんの総量が少ないとはいえ、一宮の冬は風が強く、車が汚れやすい環境であることに変わりはありません。車に触れたときに感じるザラザラとした手触りの原因が、砂なのか鉄粉なのか、その違いを知ることは適切な洗車方法を選ぶうえで非常に重要です。この汚れの正体を探るために、降下ばいじんの成分データが参考になります。
不溶解性成分の内訳
水に溶けない不溶解性成分の割合を見てみると、一宮詰所のデータでは「二酸化ケイ素」が約3割を占めていることがわかります(出典1)。二酸化ケイ素は、自然界に広く存在する鉱物であり、砂や土の主成分です。つまり、車に降り注ぐ不溶性のチリの約3割は、土砂由来の成分であると言えます。
これに対して、「全鉄」の割合はわずか約3%にとどまっています(出典1)。鉄粉は、鉄道のレールと車輪の摩擦や、自動車のブレーキパッドの摩耗、鉄工所などの工業活動によって発生しますが、一宮市の観測データを見る限り、空気中から降ってくる成分としては鉄分よりも土砂の割合が圧倒的に多いことが示されています。
| 成分名 | 割合(不溶解性成分中) | 主な由来 |
|---|---|---|
| 二酸化ケイ素 | 約3割 | 砂、土、鉱物など |
| 全鉄 | 約3% | ブレーキダスト、鉄道、工場など |
※数値は愛知県 2024年度 降下ばいじん量調査 一宮詰所データ(出典1)より
もし、お住まいの場所が線路のすぐ脇であったり、鉄粉を多く排出する工場の風下であったりする場合は局地的に鉄粉が付着しやすくなりますが、地域全体としての傾向は砂ぼこりが中心です。鉄粉が塗装に突き刺さってしまった場合の対処法については、鉄粉除去の方法とコーティングへの影響|放置するとどうなる?の記事で詳しく解説しています。
3. 冬の北西風「伊吹おろし」と濃尾平野
濃尾平野に吹き下ろす季節風
一宮市を含む濃尾平野の冬を特徴づけるのが、「伊吹おろし」と呼ばれる冷たく強い季節風です。日本の冬は西高東低の気圧配置になりやすく、大陸からの冷たい空気が日本海を渡ってきます。この風が伊吹山地や関ヶ原周辺を抜け、障害物の少ない濃尾平野へと一気に吹き下ろしてくるのです。
一宮市のアメダス(地域気象観測システム)には風向や風速の平年値データがありませんが、同じ濃尾平野に位置する名古屋の観測データ(1991〜2020年の平年値)を見ると、1月の最多風向は「北北西」であり、平均風速は3.1m/sに達します(出典2)。
強風がもたらす車への影響
冬の北西風である伊吹おろしによって車に吹き付けられる砂ぼこりは、洗車の手間を増やす大きな要因です。冬は空気が乾燥しており、地面の土や砂が乾いて舞い上がりやすくなっています。強い北北西の風が畑や空き地から乾燥した土砂を巻き上げ、駐車中の車に容赦なく降り注ぎます。とくに、ルーフの溝やワイパー周り、サイドミラーの付け根など、風の吹き溜まりになりやすい部分には砂ぼこりが真っ白に堆積しがちです。
前述の降下ばいじん成分データで二酸化ケイ素(土砂の成分)が約3割を占めていたこと(出典1)からも、この強い季節風が運んでくる砂ぼこりが、一宮周辺における冬の車の主な汚れの原因であると考えられます。愛知県内でコーティングや洗車の相談ができるお店をお探しの場合は、名古屋市西部(西区・中川・清須・一宮)の店舗一覧からお近くの店舗をご確認いただけます。
4. 砂ぼこりの落とし方は鉄粉と違う


砂ぼこりに対するNGな手入れ
車に付着したザラザラとした汚れが鉄粉ではなく砂ぼこりである場合、その落とし方には十分な注意が必要です。最も避けるべきなのは、乾いたタオルや毛ばたきでゴシゴシとこすり落とそうとすることです。
砂ぼこりの主成分である二酸化ケイ素は、ガラスの主成分でもあり、非常に硬い性質を持っています。そのため、砂粒がボディに乗った状態でこすってしまうと、砂がやすりのような役割を果たし、車の塗装面に無数の細かい傷(洗車傷)をつけてしまいます。鉄粉の場合は専用の粘土や除去剤を使って溶かしたり絡め取ったりしますが、砂ぼこりの場合は「いかに摩擦を起こさずに取り除くか」が重要になります。
正しい洗車の手順とコーティングの効果
砂ぼこりを落とす際の基本は、たっぷりの水を使うことです。まずはホースや高圧洗浄機を使い、水圧でボディ表面に乗っている砂ぼこりをしっかりと洗い流します。この「予洗い」の工程を丁寧に行うことで、洗車スポンジでこすったときの傷のリスクを大幅に減らすことができます。
その後は、たっぷりの泡を作ってボディを包み込むように優しく洗います。泡がクッションとなり、残った微細な砂粒を浮かせて取り除くことができます。詳しい洗車の手順や傷を防ぐコツについては、洗車傷(スワールマーク)を防ぐ正しい洗い方|コーティングで守るで紹介しています。
また、KeePerのボディガラスコーティングを施工しておくことも、砂ぼこり対策として非常に有効です。例えば「フレッシュキーパー」や「ダイヤⅡキーパー」などのコーティングは、塗装表面の微細な凸凹を特殊な被膜で埋めて平滑にします。表面がツルツルになることで砂ぼこりが密着しにくくなり、水洗いだけでスルッと汚れが落ちやすくなるため、冬の冷たい水での洗車時間も短縮できます。
5. セルフ一宮で相談できること
セルフ一宮の設備やメニューは、店舗ページでご確認ください。
6. よくある質問
7. 出典
この記事の監修
髙濵 良夫
出光リテール販売株式会社 販売部 担当課長
資格:コーティング技術1級資格者(EXキーパー資格者)
弊社中国カンパニーでKeePer施工と施工者育成に従事。
現在は、KeePer全社推進・KeePer LABO推進業務に従事。
