雨の少ない大阪湾岸、堺・岸和田の車に塩分が残りやすい理由
監修:髙濵 良夫(出光リテール販売株式会社 販売部 担当課長)
大阪湾に近い堺や岸和田の海沿いは潮風で車に塩分が付きやすく、年間降水量が1,232.9mmと少ないため自然に流れにくく、こまめな洗車が必要です。海沿いをドライブする方や、海に近い駐車場を利用し、塩分の付着が気になる方に役立つ記事です。
結論:大阪湾に近い堺や岸和田の海沿いでは、潮風によって車に塩分が付着しやすい環境ですが、雨が少ないため自然に塩分が流れにくく、こまめな洗車が必要です。
海沿いをドライブしたり、海に近い駐車場に車を停めたりした際、潮風による塩分の付着が気になる方は多いでしょう。特に大阪湾に面した地域では、地形や気候の特性から、車に付いた塩分がそのまま残りやすい傾向があります。本記事では、雨の量や海岸からの距離といったデータをもとに、この地域ならではの車の手入れについて解説します。
1. 堺の年間降水量は約1,200mm(東京の約4分の3)
大阪湾に面した堺や岸和田周辺は、海からの潮風を受けやすい一方で、車を洗い流してくれる雨の量は多くありません。気象庁の平年値データによると、堺の年間降水量は約1,200mmです(出典1)。
この数値を他の地域と比較してみましょう。
| 地域 | 年間降水量(平年値) |
|---|---|
| 堺 | 約1,200mm(出典1) |
| 東京 | 約1,600mm(出典2) |
このように、堺の降水量は東京の約4分の3程度にとどまります。
しかし、車の手入れという観点から見ると、必ずしも良いことばかりではありません。降水量が少ないということは、ボディに付着したほこりや不純物が、まとまった雨水によって自然に洗い流される機会が少ないことを意味しています。特に海沿いの地域では、この「雨による自浄作用が働きにくい」という気候の特性が、車の汚れの蓄積に大きく関わってきます。
2. 雨が少ないと車の塩分が流れにくい
大阪湾の近くを走行していると、海からの潮風を直接受けることがあります。潮風には海水由来の塩分が含まれており、これが車のボディや下回りに付着します。一般的に、適度なまとまった雨が降れば、ボディ表面に乗った塩分などの汚れはある程度雨水とともに流れ落ちます。しかし、先述の通り堺や岸和田周辺は雨が少ないため、付着した塩分が雨で自然に流れる機会が少ないという特徴があります。

塩分には空気中の水分を引き寄せる性質があると言われています。そのため、雨が降らなくても、夜露や朝露のわずかな水分を取り込んでボディ表面に長期間とどまる傾向があります。水分を含んだ塩分が乾く過程を繰り返すことで、汚れがより強固に固着しやすくなります。塩分が長期間残ると、金属部分のサビの原因になるだけでなく、車の塗装劣化を早める塩害の要因とも言われています。
海からの飛来塩分がどの程度の範囲まで届くのかについては、地形や風向きによって異なりますが、橋の設計に関する国の資料が、一つの目安として参考になります。国土技術政策総合研究所の資料によれば、海岸線からの距離に基づく地域区分において、区分Cで影響を受ける範囲は海岸線から200mまでとされています(出典3)。また、この区分Cにおける1km換算値の平均飛来塩分量は0.11mddとなっています(出典3)。
これはあくまで橋梁などの構造物を対象とした国の資料の目安ですが、海沿いの駐車場に車を停める場合や、海沿いの道路を頻繁に走る場合には、塩分の影響を考慮しておく必要があります。雨で流れるのを待つのではなく、人為的に洗い流す手入れが求められます。
3. ポルタス堺で相談できること
ポルタス堺の設備やメニューは、店舗ページでご確認ください。
4. 海沿いの道を走った日・停めた日の手入れ
岸和田の海沿いや、大阪湾に面した臨海線の道路をドライブした日は、目に見えなくても車に塩分が付着している可能性があります。そのため、海沿いの道を走った日や、海に近い場所に長時間車を停めた日は、できるだけ早めに洗車を行うことが大切です。雨が少ない地域だからこそ、洗車機や手洗い洗車を利用して、定期的に塩分や汚れをリセットする習慣をつけることが、車の美しさを保つ鍵となります。

洗車を行う際は、いきなりスポンジでこすらず、まずはたっぷりの水を使ってルーフ(屋根)から下に向かってボディ全体の塩分や砂ぼこりをしっかりと洗い流すことが基本です。塩分を含んだ汚れをそのままこすると、塗装面に微細な傷をつけてしまう恐れがあります。特に、タイヤハウスの裏側や下回り、ホイール周りなど、走行中に塩分が巻き上げられて溜まりやすい部分は念入りに水をかけるとよいでしょう。高圧洗浄機が利用できる環境であれば、ドアの隙間や未塗装樹脂パーツの継ぎ目に入り込んだ塩分も効率よく吹き飛ばすことができます。
予洗いが終わったら、カーシャンプーをしっかり泡立てて、泡のクッションで包み込むように優しく洗い上げます。また、洗車中の水滴が乾くと、水に含まれるミネラルや残った塩分が白いシミ(ウォータースポット)になりやすいため、日差しの強い炎天下での洗車は避け、洗い終わったら乾く前にマイクロファイバークロスなどで素早く拭き上げるのがポイントです。
適切な手入れのタイミングについては、洗車頻度とコーティングの関係|何回洗うのが正解?の記事も参考にしてみてください。こまめな洗車が推奨されますが、毎回丁寧に手洗いをするのが難しい場合は、カーコーティングを施工しておくことも一つの方法です。
例えば、クリスタルキーパーやフレッシュキーパー、あるいはダイヤⅡキーパーやEXキーパーなどのKeePerコーティングを施工しておくと、厚みのあるガラス被膜とレジン被膜などが車の塗装を覆い、塩分や汚れが直接塗装に触れるのを防ぎます。また、コーティングの撥水効果によって汚れが落としやすくなるため、海沿いを走った後の洗車の手間を軽減することができます。
5. 堺泉北の臨海部と内陸の住宅地の違い
同じ堺市や岸和田市内であっても、海に近いエリアと内陸部とでは、車を取り巻く環境が大きく異なります。堺泉北港周辺などの臨海部は、工業地帯が広がっており、大型トラックの交通量も多いエリアです。ここでは大阪湾からの潮風を直接受けやすいため、海のすぐ近くに停める車ほど塩分の付着に注意が必要です。現場の車を見ていると、潮風による塩分だけでなく、工場から飛散する鉄粉がボディに刺さって塗装表面がザラザラになっているケースがよく見受けられます。
さらに、夏の時期には気温の高さも影響します。気象庁のデータによると、堺における8月の日最高気温の平年値は約34℃に達します(出典1)。夏の強い日差しによって熱せられたボディに塩分が付着したまま放置されると、ダメージが進行しやすくなる傾向があります。臨海部では、塩分に加えて前述の鉄粉や、大型車両の通行に伴う排気ガス由来の油分、タイヤの削りカスなどが混ざり合い、黒ずんだ頑固な汚れ(油膜汚れ)として固着しやすいのが特徴です。こうした複合的な汚れは通常の水洗いだけでは落としにくいため、より一層こまめな手入れが求められます。
一方、内陸の住宅地へ向かうと、海からの直接的な潮風の影響は少なくなります。しかし、休日に海沿いの大型商業施設へ買い物に出かけたり、阪神高速湾岸線を利用してテーマパークや遠方へ出かけたりすれば、内陸にお住まいの方でも車に塩分が付着する機会は十分にあります。海沿いで付いた塩分を内陸の自宅まで持ち帰り、雨が降らないまま残ってしまうこともあります。
お住まいの地域や普段車を使うルートに合わせて、適切な洗車や手入れの計画を立てることが大切です。地域の気候や汚れの特性に合わせたケアを検討される際は、堺・岸和田の店舗一覧から近隣の店舗を探し、日々の洗車やコーティングの参考にしてみてください。
6. よくある質問
7. 出典
- 過去の気象データ検索 平年値(1991〜2020年) 堺(気象庁、2026年10月閲覧)
- 過去の気象データ検索 平年値(1991〜2020年) 東京(気象庁、2026年10月閲覧)
- 海岸線からの距離と飛来塩分(国土技術政策総合研究所、2026年10月閲覧)
この記事の監修
髙濵 良夫
出光リテール販売株式会社 販売部 担当課長
資格:コーティング技術1級資格者(EXキーパー資格者)
弊社中国カンパニーでKeePer施工と施工者育成に従事。
現在は、KeePer全社推進・KeePer LABO推進業務に従事。
